研究科概要
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研究科長メッセージ

これからの時代に求められる、「心」ある法律家の育成を目指します。

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研究科長
下井 康史
(行政法担当)
 千葉大学法科大学院(専門法務研究科)が、2004(平成16)年の発足以来、一貫して目指してきたのは、「生きている一人ひとりのために」、常に生活者の視点を忘れない「心」ある法律家の育成です。「困っている人たち」に対し、法をツールとした支援策・解決策を、相手の親身になって提供できる力を備えた法曹、そんな法曹に求められる法知識・法理論を、広く深く、そして、理論と実務の架橋を強く意識して学んでいく場を提供すること、これが本法科大学院の目標です。
 これまで、本法科大学院の修了者のうち、6割を超える人たちが司法試験に合格してきました。多くの合格者は、現在、一般市民のために法律サービスを提供する法律家、つまりは弁護士として活躍しています。もちろん、裁判官や検察官として力を発揮している人も少なくありません。博士課程に進学し、大学教員として研究者になった人もいます。
 本法科大学院の特色はいくつかあります。以下の2点を強調しておきましょう。
 第1は、少人数教育。学生定数は1学年40名です(未修者コース1年目は15名)。専任教員は研究者・実務家合わせて19名、兼担教員(本学法政経学部が主担当の研究者)は7名ですから、学生数に比して教員数がとても多いといえるでしょう。このような体制により、少人数クラスの授業を実施し、学生の顔と名前が一致した、目配りのききやすい教育が実現可能になっているのです。
 教員についてですが、研究者教員は、複数の司法試験考査委員(経験者を含む)をはじめとする各分野トップクラスのベテラン・中堅教員と、新進気鋭の若手教員とで構成されています。実務家教員は、経験豊富な現役の弁護士・検察官・裁判官が揃っています。理論的教育と実務的教育の架橋を使命とする法科大学院に相応しい陣容といえるでしょう。3名の研究者教員と1名の実務家教員は、法科大学院を修了して司法試験に合格した人たちです。学生にとっては、法科大学院での学習について、指針となるべき存在を身近に得られることになるでしょう。さらに、千葉県弁護士会の協力を得て、多数の現役弁護士の方々が非常勤講師に就任されており、弁護士実務の現場を体験するための授業や、本法科大学院の修了生を中心に課外教育を担当して頂いています。
 特色の第2は、学習環境の充実。自習室には全学生に固定席とロッカーが用意されています。少人数法科大学院ならではの強みといえるでしょう。自習室は、原則として24時間365日使用できますし、法律図書室とパソコン・ルームが隣接しているなど、使いやすい環境となっています。自習室や教室には無線LANが整備されており、各種オンライン法情報データベースを、いつでも(自宅からも)使用できます。
 ところで、法科大学院制度は、プロセスとしての法曹養成における中核となるべく、2004(平成16)年にスタートしました。それ以来、様々な改革が実施されてきています。2020(令和2)年には、学部法曹コースとの連携が認められることになりました。本法科大学院も、千葉大学法政経学部のほか、明治学院大学法学部や鹿児島大学法文学部と連携協定を締結しています。これら各学部の法曹コースを修了した人は、本法科大学院2年コースの入試を特別選抜枠で受験できるようになりました。このシステムを活用することで、学部入学から最短6年(学部3年・法科大学院2年・司法修習1年)で法曹資格を得ることができるようになっています。
 その2020(令和2)年という年が、人類の歴史に強く刻まれることは間違いありません。これからのわが国、そして世界中が、新型コロナウイルス禍のもたらす諸々の困難に立ち向かっていくことになります。様々な問題の解決には、長い時間を要するでしょう。また、色々な分野における多くの人たちの協力が必要になりますが、法曹に期待されるところがとても大きいことは言うまでもありません。新型コロナウイルス禍が経済生活・社会生活に与えた諸々の疵痕には、法によって解決すべきものが、実に数多く含まれているからです。既に、一般市民の身近な法律問題について、法曹による様々な支援が展開されていることは周知の通りでしょう。
 そして、新型コロナウイルス禍に起因する多種多様な問題を解決するに当たり、特に活躍することが強く期待される法曹とは、まさに、千葉大学法科大学院が輩出を目指す法曹、つまりは、「生きている一人ひとりのために」、常に生活者の視点を忘れない「心」ある法律家なのではないでしょうか。
 これからの時代に求められる「心」ある法律家の育成、これが、千葉大学法科大学院の新たな使命です。


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